アンサー・バック no.877
- 公開日
- 2024/11/11
- 更新日
- 2024/11/12
校長室より
本校の校区にある4小学校の6年生が来校してくれる「授業体験」の2校目が本日ありました
30分間と短い時間ですが理科と英語の授業を体験してもらっています
毎回「授業体験」を始める前に校長としてお話しする機会があるのですが、校区の小学生はあいさつや返事が元気で、こちらがうれしくなります
出中生もお客様に「あいさつが素晴らしいですね」と褒めていただくことがありますが、入学する前から家庭や地域や小学校で、当たり前のように行っているからだろうと思っています
毎年恒例のように今回も「小学校と中学校の違いは何でしょう?」という質問をしてみました
さっと何人もの手が挙がります
その回答に他の児童もリアクションをとっています
素敵!!
感心しました
たまたまこの授業体験の前に車を運転する用事がありました
すぐに戻る用事だったのでその書類と車のキーだけをもって出かけて戻ってきたのですが、学校に着いて車から離れたとき、いつもはピピッと音を出してくれる愛車が何も言いません
「ん?」と、思いポケットを確認すると車のキーがありません
「あ!助手席に置いたのだった・・・」と、気付きました
助手席に置き忘れていたキーをとって離れると、今度はしっかりピピッとアンサー・バックしてくれました
あいさつに対するあいさつ
質問に対する回答
キー・ロックに対する車のアンサー・バック
人間は、反応がないと悲しくなったり困ったりするのだろうとわたしは思います
数十年前、研修で勤務校以外の中学校に行ったとき、ある学年の教室の前を通りました
ちょうど休み時間で、廊下にその学校の生徒が出ており、すれ違う生徒が「こんにちは!」とあいさつしてくれます
こちらも「こんにちは」と返しながら進んだのですが・・・
廊下の端っこに数人の生徒が腰を下ろしてしゃべっている前を通りました
会話をさえぎることは申し訳ないので、何も言わず通り過ぎて数秒後に「こんにちは」と後ろで声がしました
自分に言われていると思わなかったのでそのまま数歩歩くと、「無視かよ!!」という声が聞こえました
振り返って「こんにちは」とか、「あ、わたしに言ってくれたのね こんにちは」とか言えばよかったのでしょうが、「????」と脳がその時の状況を瞬時に処理できず、そのまま進んでしまいました
確かに、あいさつに対して無視した状態です
妙に、このことは心に刻まれ、その後はこのようなことがないようにと留意するようになりました
また、あいさつのタイミングについて、担当する中学生に話すようにもなりました
ある意味、アンサー・バックしなかったわたしに対する「無視かよ」という言葉はアンサー・バックのひとつであり、わたしにとって勉強となりました
アンサー・バックがないということは、無視されていることと同様です
人間関係で一番心にこたえるのは無視であり、無関心です
「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」
これはマザー・テレサのことばです
数十年前のわたしがあいさつを返さなかったのは「愛」がなかったわけでなく、「気付かなかった」からなのですが、その中学生にとって私の言動には「愛」がないと感じさせたということです
気付いていないこのようなことをわたしはたくさんしているような気がふつふつと今してきて、ちょっとこころが落ちてきました・・・