みえないもの no.836
- 公開日
- 2024/09/11
- 更新日
- 2024/09/11
校長室より
1年生の理科の授業で、みんなが顕微鏡を覗いていました
「何か見えますか?」と、わたし
「はい、見えます、見えます」と、うれしそうに答えてくれる出中生たち
中には、「うーむ」と悩ましく返す出中生もいましたが、みんな何やら楽しそうです
「ちょっと見せてもらっていいですか?」とお願いすると、「どうぞ、どうぞ」とみんな親切です
そして、顕微鏡を覗かせてもらうと、様々な結晶が観られました
不思議です
水溶液は無色透明で、何も見えないのですが、加熱して水を蒸発させてその量を減らすと、水に溶けていた物質(溶質)が析出します
再結晶です
やはり、不思議です
理屈では分かっていても、目の前で起こる現象は不思議なのです
帰宅途中、夜空を見上げます
西の空に月がほっそりとした姿で浮かんでいます
そのほっそりした月には何やら模様が見えます
天体望遠鏡を使ってみるとぼこぼこ(クレーター)をはじめ、表面の違いが観えます
見えているのに見えていないですね
意識して見ていないから見えないもの
意識しても見えないもの
人間は今まで意識しても見えないものを観るために、試行錯誤を繰り返してきました
それは単純に言えば探求心であり、言動の源はとてもシンプルなのかもしれません
「学校で勉強するのはなぜか??」
よく問われることです
わたしはその答えのひとつに、「みえないものを、みえるようにするため」があると思っています
1人だけで学習していても「みえないものが、みえるようになりにくい」内容もあると、わたしは思っています