学校日記

県外に進学・就職する若者への応援プロジェクト 〜巣立つ我が子を応援する裏に、ちょっと寂しい親の本音〜 3/13 344号

公開日
2023/03/13
更新日
2023/03/13

校長室

 富山県は、県外に進学・就職する若者を応援するため、保護者の方からお子様に向けた応援メッセージを届ける『I’m Your Home.富山県 富山から旅立つあなたへ 〜親からの「エール」と「本当の気持ち」〜』プロジェクトが先月実施されました。

 本プロジェクトでは、県外に進学・就職する若者へ向けて、保護者からの応援メッセージ(エール)と子供が自立していくことで感じる寂しさ(本当の気持ち)を富山県が集め、富山駅前の商業施設「MAROOT(マルート)」を中心に、外壁の懸垂幕や施設内のデジタルサイネージ、隣接する通りのフラッグ等の43箇所に掲出されました。

 本プロジェクトは、全国の多くの自治体同様、富山県でも若年層の人口流出が顕著となる中、県内に若者をとどめようとするのではなく、「前途ある若者の夢を後押ししたい」「大きく羽ばたいてほしい」という気持ちを表現することで、「富山県との心理的なつながり」を感じてもらうことが重要だと考え、県外に進学・就職する学生を応援する企画を検討。

 本プロジェクトを実施するにあたり、富山県は事前に高校生・大学生の子供をもつ保護者の方々にアンケートを実施。その中で、県外へ進学・就職を予定している学生の保護者の方々に「今のお気持ち」を聞いたところ、「応援したい・している」が80%強で最も多い一方、「成長・成功を願っている」と「寂しいと感じている」が同数で60%強という結果が出ました。また、「いつかは富山に戻ってきてほしいと思っている」が約30%強、「本当は近くで暮らしてほしいと思っている」が20%強あり、巣立っていく子を持つ親心が改めて浮き彫りとなりました。

 掲出されたフラッグの中で、私が強い共感を覚えたものの一部を紹介します。
「一緒にいた時間が長かった分、離れていくのは寂しい」
「ずっと一緒にはいられないって、分かってたはずなのに」
「頑張るあなたは、お父さんお母さんの誇りです」
「つらかったらいつでも帰って来てね」

 私は、2人の息子が大学受験を迎える時に、自治会長を務めていました。近所では、お子さんが都会の大学に通われ、そのまま都会に就職された家ばかり見てきたので、これ以上少子高齢化を加速させてはいけないと考えていました。そこで、高校生だった息子たちに「将来どんな職業に就いてもいいんだけど、お父さんとしては地元に貢献して欲しいと思っているんだ。だから富山や金沢等の地元の大学進学なら有難いんだけど。」と話しました。結果としては、その通りになったのですが、それが我が子にとって本当に良かったんだろうかとふと思うことがあります。

みんながわくわくする学校を「自分から」