学校の樹木!?11/16第277号
- 公開日
- 2022/11/17
- 更新日
- 2022/11/17
校長室
学校の樹木は、理科や生活科の教材になる他、春の新緑や秋の紅葉など景観を演出する貴重な教育資源です。
次の新聞記事が目に留まりました。ある都市での中学校での出来事。この中学校では、落ち葉に関わる苦情が相次ぎ、樹木は完全に厄介者扱い。隣家の雨といを詰まらせ、商店街も落ち葉清掃に手を割かざるを得ない。着任間もない教頭先生は、「えいや!」と切り倒す。見晴らしが良くなった。落葉の心配がいらなくなった。万事よしと思いきや、今度は貴重な樹木をなぜ切ったかとの苦情が寄せられた。教頭先生は、新たな苦情に悩まされることになった。(途中略)
この記事を読んで、本校のグラウンドのヒマラヤ杉の枝の剪定を思い出しました。私が1年半前に着任したときに、2本のヒマラヤ杉がジャングルジムと滑り台、ブランコに覆いかぶっていました。遊具が使いにくい状態でした。山林を所有し、枝の剪定の経験のある私は、チェンソーで下枝を根元から切り落としました。おかげで、視界が広がりすっきりしました。(写真左)
その1年後に、予算が通りグラウンド全体のヒマラヤ杉を造園家さんに剪定してもらうことが決まりました。その打ち合わせに出向いた時の話です。「砺波地方は、屋敷林が多くて杉の剪定を自分でされるのは良いのですが、枝を根元から切られて・・・人間に例えたら手足を根元から切られて成長できるかという話ですよ。人間だったら伸びる髪や爪を切る程度でしょう。それと同じ考えでやらないと木の成長が止まるどころかしまいには、倒木につながりますよ。」と社長さんにアドバイスされました。
そのことを思い浮かべながら、グラウンドのヒマラヤ杉を眺めますと、造園屋さんの木の剪定は、確かに中位の太さの枝まで残しながら葉や小枝の剪定に留めてあります。(写真右)私が、山林でやってきた剪定は、下枝を早期に根元から切り落とし、材木に節を残さないようにするのが主たる目的でした。目的を誤っていたことにふと気が付きました。
いずれにせよ学校も神社仏閣も地域のシンボルとなる樹木を持ちます。新緑や紅葉の時期には人々を楽しませてくれます。しかし、その陰には管理する人々のたゆまない努力があることを忘れないでおこうと思います。