学校日記

村上選手56号!?10/6 第253号

公開日
2022/10/06
更新日
2022/10/06

校長室

 この「校長室」読者から「村上選手について書かないのですか?」と声をかけていただきました。「また、野球か?」と思われるのも忍びなく我慢していたのですが、せっかくですので書かせていただきます。王貞治さんや落合博満さんら伝説的な大打者をしのぎ、22歳の史上最年少で三冠王に輝きました。レギュラーシーズン最終戦での最終打席で日本選手シーズン最多の56号本塁打の偉業を達成しました。重圧から解放され「最高のご褒美。素直に喜びたい」とコメントを残しています。
 彼も高校時代にスラッガーとして甲子園に出場していますが、同級生の早稲田実業高校清宮選手が有名でマスコミからあまり注目されませんでした。しかし、高校通算本塁打は、清宮選手の半分以上は打っていると聞いています。
 打撃技術的には、抜群のスイングスピードにより力でスタンドに運ぶことがあれば、上手くバットに載せて放り込むこともあります。この対応力を生んでいるのが、重心を落とし、スタンスを大きく広げた打撃フォームです。うちに行く際の体重移動を抑え、目線のブレが少ないフォームです。本人は、自分の打撃と向き合い、試行錯誤して技術の探究を重ねて出来上がったものらしいです。
 「大きなスタンス」には欠点も存在します。腰が回転しないということです。以前私は、野球の監督時代に阪神で首位打者として活躍した長崎選手から直に打撃指導を受けた事があります。今でも覚えているのは、「打撃フォームは人それぞれあって、本人が打ちやすい形なので正解はない。したがって、指導者は簡単に触ってはいけない。トップ(これからマックスの力を発揮する直前に身体全体がピタッと止まる瞬間)さえしっかりしておればよい。しかし、禁止事項はある。1 腰が回転しにくくなるので広すぎるスタンス 2  バットの出が遅れるのでバットを入れ過ぎる(バットのヘッドを前に倒す)こと 3 ステップ足(前足)の膝が突っ張ること 4 打ちにいくときに体が開く(前後の体重移動が終わる前に体の回転移動に入ってしまう) 5 スイング軌道がドアスイングになること(インサイドアウトが理想)‥等 これらは直してあげて欲しい。選手がどこに意識を置けば直るか選手とコミュニケーションをしっかりとって欲しい。」とのことでした。
 村上選手には慢心がなく、今後益々の成長が期待できます。また、よく「甲子園には魔物が住んでいる!」と言われるように野球には神が操るドラマが存在すると思っています。探究心と努力を積み重ねたのに、重圧に苦しんでいたので、最後に村上選手が言うように「神からのご褒美」を頂いたのだと私も思いました。

みんながわくわくする学校を「自分から」