石川県で初の震度7 1/10 499号
- 公開日
- 2024/01/10
- 更新日
- 2024/01/10
校長室
今回の地震で犠牲になられた方にはお悔やみを、被災された方にはお見舞い申し上げます。
「令和6年能登半島地震」の発生は、1月1日午後4時10分ごろ。震源は石川県能登地方で深さは16キロ、地震の規模を示すマグニチュードは7.6でした。阪神・淡路大震災を起こした地震や熊本地震のマグニチュードは7.3だったので、それよりも大きな規模です。この地震で震度7の非常に激しい揺れを石川県志賀町で観測したほか、震度6強を七尾市と輪島市、珠洲市、穴水町で、震度6弱を中能登町と能登町、新潟県長岡市で観測しました。気象庁によりますと、石川県で震度7を観測するのは観測史上初めてだということです。
その後も地震が相次ぎ、気象庁は、今回の一連の地震活動を「令和6年能登半島地震」と名付けました。地震波形を分析した結果、木造家屋に大きなダメージを与える周期1〜2秒の揺れが強かったことが分かっています。専門家は“阪神・淡路大震災を引き起こした地震に匹敵する”としています。
今回の地震では、北東から南西にのびるおよそ100キロ以上の活断層がずれ動いたと指摘されています。各地で “津波”も観測され、家屋流出などの被害も起きています。専門家の分析では、発生からおおむね1分以内に珠洲市の沿岸に津波が到達していたとみられ、珠洲市でおよそ3メートル、志賀町では4メートル以上の高さまで津波が陸地を駆け上がったことが確認されました。
また、能登半島の北岸の広い範囲で地盤の“隆起”が確認されています。珠洲市では最大で175メートル、海岸線が海側にむかって広がっていたことが専門家の調査で明らかになりました。海水がほとんどなくなってしまった港湾も複数あるということです。
この地震を南砺市(震度5強)の自宅で体験した私は、揺れが収まって暫くした後、庄南小学校(砺波市震度5弱)の被害が心配になり、一緒に校舎点検をしようと教職員に連絡を取りました。連絡した教職員は、残念ながら外出中で大渋滞に巻き込まれているとのことでした。やむを得ず、年老いた両親の面倒を妻に任せ、次男と共に学校へ出向き、懐中電灯で照らしながら校舎内外に被害がないか点検を行いました。図書室の本棚から数冊の本が落下したり、児童ロッカーから文房具が落下したり、図工室の角椅子が10個程落下したり等はありましたが、殆ど被害はありませんでした。驚いたのは、理科室のフラスコ(不安定な形状)が全くずれていなかったことです。素人考えながら、耐震構造(鉄骨の筋交い)の威力を痛感しました。昨日、予定通り3学期始業式が実施できたことは、何よりの喜びでした。
今後も余震が続く中、放課後に臨時校内研修会を開催し、災害(地震)発生時の危機管理について話し合いました。各班(総括・安否確認・避難誘導・安全点検・救護・救急医療・保護者連絡・応急復旧・避難所支援)のメンバーと仕事内容の確認を中心に行いました。私から特にお願いしたのは、揺れが始まったら天井や壁等の非構造部材の落下は十分想定されるので落ち着いて子供たちを机の下に避難させて欲しいということです。この地震を契機に、子供たちの安全・安心を守り抜くために、教職員一同気を引き締めていきたいと思います。