学校日記

頂点から見えたもの 〜「勝ち」より「価値」〜! 10/2 448号

公開日
2023/10/02
更新日
2023/10/02

校長室

 昨日、NPO法人福光スポーツクラブの設立20周年記念講演会が福光中央会館で開催され、参加してきました。講師は、2016年リオ五輪金メダリストの柔道家の立知本 遥(射水市出身)氏でした。

 立知本氏は、高校1年生と2年生のインターハイ(全国高校総体)個人戦ではいずれも1学年上の森田選手に決勝で敗れ準優勝。この森田選手という高い壁のお陰でその後の自分の活躍があったと強調しておられました。「森田選手にどうしても勝ちたい」という強い思いが辛くて長い練習を耐える原動力になったということでした。

 小学校2年生から姉の愛と始めた柔道。柔道の名門東海大学へ進学。4年時の全日本選抜で優勝し、ロンドン五輪の切符を手にされました。しかし本大会では準々決勝の試合中に肘を痛め、初めての五輪は7位と悔しい結果に終わられました。 大学卒業後は綜合警備保障(ALSOK)に所属。迎えた2016年4月の全日本選抜で五輪代表の座を勝ち取り、2大会連続となるリオデジャネイロ五輪代表に選ばれました。

 姉妹での出場を目指しておられましたが、姉は全日本選手権の決勝で大怪我を負い無念の敗戦。「2人じゃないと意味が無い」と現実を受け止められない妹に対し、「遥が勝つことは私が勝つことと同じ」という姉の一言が強く背中を押したそうです。

 五輪本番には柔道日本代表で唯一人ノーシードで出場。2回戦で世界ランキング1位のキム・ポーリング選手(オランダ)と対戦し延長戦の末に強敵を下すと、準々決勝でも延長戦を制し、準決勝では大外刈で技ありを奪い優勢勝ち。決勝ではジュリ・アルベアル選手(コロンビア)を抑え込み1本で破って金メダル、姉妹で目指した世界一の座を掴まれました。

 2017年、27歳の時に約20年の及ぶ競技人生を終えられた後は、筑波大学大学院でスポーツ健康システムマネジメントを専攻。大学院卒業後は国内外で柔道教室や講演活動を行う一方、2022年には講師として「COCO Judo Academy」の活動も始動されました。頂点から見えたもの 〜「勝ち」よりも「価値」〜を大切にしていく柔道アカデミーとして、“ここ”が子どもたちの健やかな“心”の居場所になれるようにと、国内外の子どもたちへの活動に力を注いでおられます。

 田知本氏の講演の中で心に残った言葉は、「努力は人を裏切ることもある」「夢にはすべてを懸ける価値がある」でした。田知本氏感動の時間を有難うございました。