学校日記

先生が足りない! 9/22 441号

公開日
2023/09/22
更新日
2023/09/22

校長室

 文科省が初めて実施した全国実態調査によると、公立小中高校と特別支援学校で、2021年5月の時点で教員が2065人不足していました。全体の4.8%に当たる1591校で計画通りの教員配置ができていません。

 この調査結果から中部9県の公立学校の教員不足数をみると、愛知県が125人、静岡県34人、岐阜県27人。(富山県17人、石川県4人、福井県14人)義務教育標準法などに基づいて算定される教員定数ではなく、各県と政令指定都市などの教委が配置を予定した人数と照らし合わせて調査しました。学校に配置される教員は正規のほか、臨時的任用、非常勤、再任用の講師を含んでいます。
 各地の教委は代替などのため、講師を募集して登録していますが、年度途中のほか、地域や教科によっては、学校から申請されても補充が困難な場合があります。(2022年4月20日中日新聞より)

「体調不良で若手が退職」
 「学級担任をしていただけませんか」。愛知県内の公立小学校で昨年7月、当時非常勤講師だった女性(71)に突然、校長から打診がありました。
 ある学年の担任をしていた若手教員が、体調不良で七月に退職。その学級は、別の教員が一時的に受け持っていました。小学校を管轄する教育委員会が講師登録者から後任を探しましたが、「担任」には難色を示す人ばかりだったといいます。女性には、困り果てた校長から直接、話があったさそうです。
 女性は、担任不在の学級の児童たちが「普段より落ち着きがなくなっている」と感じました。「不安な子どもたちに、何かできることがあるなら」。九月から担任を引き受けました。

「ずっと一緒にいるよ」
 まず、児童たちに「先生はずっと一緒にいるよ。3月まで、どこにも行かないから安心してね」と伝えました。日々、対話を重ねていく中で、学級は少しずつ落ち着きを取り戻し、児童らも前向きに授業に臨めるようになったそうです。
 「心が折れてしまう若い先生たちを見るのは本当に残念」と女性。ここ数年でプログラミングやタブレット端末の活用など、従来の授業以外にも指導する内容が増えました。「大変だ」と感じる気持ちも理解できます。「ただ、子どもたちと関われる『先生』は、本当に素晴らしい仕事。楽しさ、喜びもたくさんある。それを感じてほしい」
 4月、この小学校にも新任の教員が数人着任しました。女性もまた非常勤講師として教壇に立っています。「悩みを抱える教員の相談に乗り、できる限り支援してきたい」。その思いを一層強くしているとのことです。

 教育界の現状を見ているような記事だと思います。私たちが出来そうなことは、「風通しの良い職員室運営」「若手教員に教師冥利を実感してもらう仕掛け」「教職員の同僚性の向上」・・・等かなと日々噛みしめています。