学校日記

失敗は誰にでもある 正直に打ち明けたら? 7/12 419号

公開日
2023/07/12
更新日
2023/07/12

校長室

 校舎の周辺を回って野菜を育てている菜園の草むしりに行こうとしたら、低学年のA君が勝手口の外に出て、すねているのを見付けました。「A君どうしたの?」と問いかけても、機嫌が悪いようで、無言です。「誰かと喧嘩でもしたのか?」と続けても無言が続きます。「校長先生、今から畑の草むしりに行くんだけど一緒について来ない?」と誘ってみると黙ってついて来ました。

 私が、菜園に生えている丈夫な草をむしっている姿を最初はA君が黙って見ていました。そのうちに、「A君の植えた野菜どれ?」と尋ねると「校長先生こっちへ来て!」と自分の植えた黒ピーマンと茄子を案内してくれました。「僕、黒ピーマンが好きで、家でもプランターで育てているんだよ。」「へぇーすごいな!ところで、何があったの?」やっと打ち解けて心を開き話し始めてくれました。

 「今、算数の期末テストをしていたんだけど絶対満点取れるように準備を自分なりにやっていたんだ。それなのに、テストを回収した時に自分は問題を飛ばして、やっていないことに気付いたんだ。うち、婆ちゃんが厳しいから、表か裏かどっちかが満点でないと今日のゲーム禁止になるんだ。今日帰ったらB君の家に遊びに行って、ゲームを一緒にやる約束しているから困っているんだ。」「それで、とうするの?」「婆ちゃんこそ、テスト延期になったかなんか言ってごまかせると思うんだけど、校長先生どう思う?」「あなたの困っている思いはよーく分かったよ。よく話してくれたね。校長先生は、嘘はバレた時に激怒されると思うよ。校長先生の姉ちゃんが昔小学生の時に、父が大事に育てていた畑の西瓜を黙って食べたのがバレて『川から西瓜が流れて来た』と嘘をついたんだ。激怒した父は、姉ちゃんを倉に閉じ込めて朝まで出さなかったよ。だから、失敗は誰にでもあるから、失敗を正直に言ったらお婆ちゃんやB君に正直に話したら許してくれると思うよ。どう、行動するか自分で決めたら?」と返しました。

 学生時代も社会人になっても失敗を繰り返している私にとって、A君の気持ちがとても共感出来ました。人間は、失敗した時に正直に打ち明けることにより気持ちが軽くなったり周囲の人に失敗をカバーしてもらえることに気付いたりすると思います。A君もこんな体験をしながら成長してくれたらと心の中でエールを送りました。

みんながわくわくする学校を「自分から」