児童世帯は全世帯の18.3%に激減? 7/6 415号
- 公開日
- 2023/07/06
- 更新日
- 2023/07/06
校長室
厚生労働省は4日、令和4年国民生活基礎調査の結果を公表しました。児童(18歳未満の未婚者)がいる世帯数は991万7千で初めて1千万世帯を下回りました。全世帯に占める割合も、18.3%と過去最低を更新しました。
全世帯数に対する児童世帯数は、私が結婚した平成元年で41.7%だったのが、令和4年は18.3%に激減しています。5軒のうち2軒は児童がいたのに、今は5軒のうち1軒も児童がいない計算になります。少子化の加速が改めて示されたことになります。いっぽう、同居の家族らによる介護では、介護を受ける人と世話をする人がともに65歳以上の「老老介護」は、過去最高の63.5%に達したと発表されました。少子高齢化が改めて示されたことになります。•
岸田政権は6月に「子ども未来戦略方針」をまとめたものの、財源など不透明な面が多く、少子化対策の実効性が問われているところです。ちなみに「子ども未来戦略方針」とは、こども・子育て政策の強化を図るために、幅広い関係者の知見を踏まえ、必要となる施策の内容、予算、財源について総合的に検討を深めるために開催される「こども未来戦略会議」のことです。政策全般を子供目線で捉え直し、子供政策を総合的に推進することを目指しています2。政府が試案の基本理念に掲げる「若い世代の所得を増やす」「社会全体の構造・意識を変える」「全ての子育て世帯を切れ目なく支援する」の3点については、「いずれも重要」と述べ、多方面からの検討の必要性を強調しています。
夫婦が希望する子ども数を持てない理由の一つに、教育費の負担があるとの指摘があります。特に大きな費用がかかる大学など高等教育費の負担軽減は喫緊の課題です。政府の「こども未来戦略方針」には、大学などの授業料・入学金減免と返還不要な給付型奨学金による高等教育無償化について、2024年度から多子世帯や理工農系の学生の中間層(世帯年収約600万円)に対象を拡大するとともに、多子世帯へのさらなる支援として、対象年齢や年収区分ごとの支援額引き上げの検討が明記されました。
政府の政策が少子化対策に実効性を伴うよう祈るばかりです。