学校日記

学校菜園の野菜元気に! 6/20 403号

公開日
2023/06/20
更新日
2023/06/20

校長室

 2年生の畑で作業をしていますと、6年生数名が自分たちの学年の畑に植えたサツマイモの生育を見に来ました。「校長先生、2年生の畑で何しているんですか?」と尋ねられました。「よく聞いてくれました。2年生の畑の作物は元気がないものだから、担任の先生に頼まれて苦土石灰を入れて土壌の酸性を弱めているのと、鶏糞の有機肥料を加えているんだよ。」「ふーん!野菜作りは難しいんですね。どうして、臭い鶏糞なんですか?」「鶏糞は、有機肥料なんで、即効性はないんだけど野菜に優しいんだ。何よりも1袋20kg入り150円で経済的なんだ。2年生は、まだこんな説明難しいんだけど6年生の皆さんだったら分かっただろう?」「よーく分かりました。」と納得して教室に戻っていきました。

 私は、我が家の園芸や野菜作りで最近注目しているのは、経済性を重視したこの苦土石灰と鶏糞です。PHと肥料について簡単に説明しておきますと、

 土のpHは通常、降雨によって石灰質が流れ出ていくことで徐々に酸性に傾いていきます。 そしてpH4.0以下の酸性の土になると、土に含まれるアルミニウムイオンなどが過剰に溶け出しやすくなり、植物の根に障害が発生することがあります。 また、長年耕作している畑の土では炭酸カルシウムなどの土壌改良資材の使い過ぎでアルカリ性に傾いている場合があります。 強アルカリ性の土では、植物が鉄や亜鉛を吸収しにくくなり欠乏症が発生します。 このように、土のpHが極端に酸性やアルカリ性に傾くと、植物が正常に生育できなくなってしまいます。

 肥料は、化学肥料(無機質肥料)と有機肥料(有機質肥料)の大きく2つに分けられます。化学肥料は工場で化学的に合成された肥料です。窒素・リン酸・カリのうち1つしか含まないものは単肥、2つ以上の成分を含むものが複合肥料となります。有機肥料は、牛糞や鶏糞、魚粉、骨粉、油粕などの、動植物性の有機物が原料となっている肥料です。肥料には、すぐに効果が現れる速効性肥料や、徐々に効果が現れる緩効性肥料など、効果の現れ方(肥効)が異なるものがあります。速効性肥料は、水に溶ける性質で植物が吸収しやすく、効果がすぐに現れる性質があるため、元肥だけではなく、追肥によく利用されます。降雨などの水分でも溶け流れてしまうため、持続効果については短い傾向があります。液肥や化学肥料(無機質肥料)の多くは速効性肥料です。

 緩効性肥料は、土壌に施用するとゆっくり効果が現れます。油粕や米ぬかなど微生物に分解されてゆっくり効く有機質肥料や、コーティングにより肥効を調節できる被覆肥料などがあります。施肥作業の省力化と肥料コスト削減を可能にできる肥料として注目され、近年導入が進められています。肥料の形は固形、液体、粉体などさまざまです。固形肥料の中でも、粒状のもの、ペレット状のものなど、形状によって溶けやすさが異なります。一般的に水に溶けやすいほど肥効は早く、液体肥料がもっとも速効性があります。一方、元肥と混ぜて長く効かせたい場合は、固形肥料が選ばれます。粒状の肥料は、栽培途中に追肥として畑にまくこともできます。

 肥料の話は、とても複雑ですが野菜作りには欠かすことの出来ない基礎知識かなと思っています。初秋に野菜の収穫を喜ぶ子供たちの笑顔が楽しみです。

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