黄砂のピークはいつ頃、いつ終わる?PM2.5との関係は?4/13 358号
- 公開日
- 2023/04/13
- 更新日
- 2023/04/13
校長室
昨日は、黄砂の飛来で「車が汚れてしまった!」「外で干した洗濯物が台無しだ!」と嘆かれた方も多いのではないでしょうか。毎年、春になってくるとやって来る黄砂。遠くがぼーっとかすむと黄砂です。しかし、最近は、黄砂と一緒にPM2.5も飛来。黄砂のアレルギーへの影響も指摘され、「春霞だ〜」と春の情緒に浸っていられなくなりました。そこで、インターネットで1黄砂の意味 2黄砂の害とPM2.5の害 3黄砂、PM2.5飛来の時期について調べてみました。
黄砂は、中央アジアのゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、モンゴルの黄土高原などの砂や土。日本では小さな土(泥)の粒子になっています。砂嵐の強い風で巻き上げられて、偏西風に乗って日本までやって来ます。黄砂は、日本から太平洋を越えて、北アメリカまで届くこともあります。日本で黄砂が多いところは、西日本と日本海側です。福岡、大阪などがよくニュースになります。しかし、東京や太平洋側でも降ります。
黄砂そのものは、日本に来る時は、量が少なく、小さいものが飛んで来るので、空気がもやがかかったように霞んで車や洗濯物に土が積もる程度。車のフロントガラスを傷つけたり、ビニールハウスを暗くしたりの害はあるのですが、大昔から黄砂は降っていて、日本ではそうひどい害はなかったようです。春霞や朧月(おぼろづき)の原因の一つとなって、春の風物でもありました。
今、問題なのは、PM2.5と呼ばれるごく小さな大気汚染物質が中国から飛んで来ること。春には、黄砂と一緒にやって来ます。黄砂が飛んで来ると、PM2.5への警戒も必要になります。健康に、より害を及ぼす可能性があるのはPM2.5です。
黄砂の健康への害も多少あるのですが、怖いのはPM2.5の健康被害です。特に呼吸器系に害があり、目のかゆみや鼻水を起こしたり、花粉症、喘息などのアレルギー症状を悪化させたりします。大きさは、スギ花粉の千分の一位で、すごく小さいのですが、気管支から肺、血液、細胞にもとりこまれて、心臓・血管などの循環器系にも影響が出るとされています。心筋梗塞や肺癌との関係も指摘されています。
黄砂は、7〜9月に観測されたことはありません。それ以外はいつでも降る可能性はありますが、中心となるのはアジアの砂漠で砂嵐がよく起きる時期の2〜5月です。6月には、過去10年で4回黄砂が降っています。ピークは、多い順に4月、3月、5月となります。黄砂が降る日数は平年の年間で、合計17.2日です。
黄砂は、ゴビ砂漠などの春先の砂嵐が原因。季節ものです。しかし、PM2.5は、大気汚染物質など人工的なもの。偏西風に乗ってやって来るもので季節は問いません。ただ、黄砂と同じく冬から春にかけて量が多くなっています。
春先、黄砂はPM2.5と一緒にやって来るので、喘息や花粉症等のアレルギーのある方は特に要注意ですね。日本も高度経済成長期には光化学スモッグが問題になり、対策を積み重ねた結果、今は綺麗な空に変わりました。中国も大気汚染対策に力を入れ始め、かなり改善はされているようです。PM2.5には、早く消えてもらいたいものですね。